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ヨコハマストリートファニチャー「えんつなぐ」
本作は、「第6回 まちを楽しくするストリートファニチャーデザインコンペティション」にて優秀賞を受賞した提案を、横浜市中区吉田町通りにて実装したプロジェクトである。2023年11月21日から12月5日まで、計約2週間にわたり設置され、利用状況の観察調査もあわせて実施した。設計から制作・現地施工までを学生主体で行い、商店街と協働しながら推進した社会実験型の都市デザインプロジェクトである。 敷地の吉田町通りは、画廊や飲食店が軒を連ねる、昼と夜で異なる表情を見せる文化的な商店街である。特に、既存の「親子ボラード」が日常的に腰掛けとして使われている点に着目し、そこへ+αの機能を付与することで、新たなストリートの居場所を生み出すことを目指した。提案された家具は、合板をパーツとして切り出し、ボラードに絡みつきながら展開する、まるで通りに花が咲くような設えとした。曲線形状により端材が発生しやすい課題に対しては、余白部分まで細かな部材として再利用し、材料ロスを極力削減した。 設置後はすぐに通りの利用者が腰掛け、荷物置きや子どもの遊び場としての利用も見られた。イベント開催時には、多様な滞留や交流が促され、商店主からも継続設置を求める声が寄せられた。実際、翌年の再設置が検討されるなど、地域からも一定の評価が得られている。
もともと存在していたボラードに、小さな操作を加えることで新たな使われ方を誘発し、人々の関係と活動を育む。
「えんつなぐ」は、街の日常にそっと寄り添い、ひとの行為をさりげなく拡張する、公共空間の余白に花を咲かせるストリートファニチャーである。
Date: 2023.11.21 – 12.5
Site: Yoshidamachi, Yokohama
Note: Dasign Ma/ Awai
Member: 安保花、高橋風汰(B4)、加藤暖菜、小和瀬匠、伊藤さやか(B3)、福永陽彩、秋山瑠菜、佐野瑠美(B2)
Photo:中島悠二
